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将棋局面|村山慈明-千田翔太2016年03月20日NHK杯決勝|村山慈明がNHK杯優勝

2016年03月20日第65回NHK杯決勝

村山慈明七段 千田翔太五段

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先手番だが手が広くどうしていいかわからない局面。

「勝負の呼吸」を感じる進行だった。

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▲4五歩△3八角成▲同飛△同と▲4四歩△同歩▲8八玉

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村山慈明NHK杯優勝 

▲4五歩とじっと歩を伸ばしたのが気づかない手。玉頭は後手の弱点とはいえ見えずらい。次にすぐどうという手が見えないし・・・。

この「無言の圧力」のような手に千田(ちだ)五段は困ったようで考え込んだ。

飛車角交換になったが、先手▲4四歩の突き捨てからじっと▲8八玉と上がる。

プロ同士だと単純な攻めでは不備を突くきつい反撃がくる。じっと力をためる勝負の呼吸が大事で、われらアマチュアには見えずらい手がよく見られる。

▲4五歩から▲8八玉は地味な進行ではあるが、村山七段の指し手にはほとほと感心させられた。

このあとも終始村山ペースのように見えた。先手村山快勝、NHK杯優勝となった。

千田五段の初出場で準優勝というのも驚異であった。

 

村山慈明(やすあき)七段の表彰式を見ていて「おめでとう」という気持ちがこみあげてきた。気の強そうなわんぱく坊主のような表情だが30歳を過ぎていて、もはや若手とは言えない。2014年に棋聖戦挑戦者決定戦に進出したが森内九段に敗れてしまった。今回の優勝を機にタイトル戦登場にチャレンジしてほしい。