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将棋局面|桐山清澄 vs 米長邦雄 1986-07-01 棋聖戦第2局|その2 桐山の個性がよくでた好局

第48期棋聖戦五番勝負第2局
*「桐山清澄九段」vs「米長邦雄十段」 

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その1の続き。

△7七歩の金取りに先手は対処しなければいけないが・・・。

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▲8八金

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桐山の個性がよくでた好局

△7七歩に同桂だと5七桂成、同金、7六歩がいやに映る。

とはいえ▲8八金はすごい辛抱。カベ金のうえ玉頭に歩が残る。すごい「利かされ」で嫌われる形である。しかしこうされると後手もすぐに攻める手はないようだ。

2図以下△4四歩▲3六角△5三金と進むが、そこで▲7四歩が好手(同飛は5四角、同金、6三銀)でうまく反撃し、と金を作って先手優勢となった。

筋違い角をうまく活用して先手桐山勝ち。

桐山先生は好形からきれいに攻めるという将棋ではなかった。見慣れない形に組み、どこかぎこちない印象の棋風であった。桐山将棋はよく「いぶし銀」といわれた。

本局は序盤の筋違い角やこの金寄りなど、桐山先生の個性がよくでた好局だった。本局の勝利で棋聖位をたぐり寄せた。

山九段はこのあと3-1でみごと棋聖奪取となる。