将棋局面|中村修vs南芳一1988-03-24王将戦7局|55年組対決を制し南が二冠に
1988-03-24第37期王将戦七番勝負第7局
「中村 修王将」vs「南 芳一棋聖」
タテ歩取りとなって例を見ない形となった。後手があちこち歩を突き捨ててどうやって攻めをつなぐのかと思った。
△5七銀▲5六飛△8六飛▲同 飛△8五歩▲7六飛△6五角
55年組対決を制し南が二冠に
△5七銀から飛車斬りが南さんの見事な攻めだった。飛車の頭にちょこんと△8五歩と打たれて、先手は両取りを逃れられない。△6五角で飛車を取れる形になり、2図以下もうまく攻めて南さんが勝った。王将・棋聖の二冠王となった。
南さんはその後、タイトルを一つ失ってはまた獲り、何度か二冠王になっている。本局が自身としては初の二冠達成だった。このころ「谷川世代」ともいうべき(私の造語ですけど)、谷川浩司先生世代の棋士が目立った活躍をした。谷川世代のなかでは特に昭和55年度にプロ入りした「昭和55年組」が注目の的だった。本局の中村さんと南さんも55年組だった。だが、55年組同士のタイトル戦は案外少なかったようである。
無冠になった中村さんは、不思議とその後タイトルを獲ることはなかった。