将棋局面|米長邦雄vs森安秀光1982-02-13棋王戦1局|森安の飛車は毒入り
1982-02-13 第07期棋王戦五番勝負第1局「米長邦雄棋王」vs「森安秀光八段」
森安秀光八段が挑戦した棋王戦での一局だが、奇妙な局面が出現した。△変形の石田流の将棋。先手が大きな駒得となり大優勢を思わせたが、後手は粘り強く攻め続けた。 1図のあと、目を疑う光景が見られた。
△8六飛▲8七歩△9六飛▲9七歩△9五歩
森安の飛車は毒入りサンドイッチ
飛車を自殺に行ったのがすごい手。「飛車をどうぞ」「いやいりません」と言ってるかのようなやるとりが面白い。 そして△9五歩までの奇妙な局面が現れた。飛車のサンドイッチ出来上がりである。
ただしこの飛車は毒入りで、うかつに食べると先手玉は死ぬ。実は1図に至る先手の▲7九桂が壁形にした大悪手で、この局面は後手勝勢に近いようだ。
しかし2図以下▲8六金に△同角と誤り、勝ちきることはできなかった。 9七飛成なら後手勝ちだったという。森安秀光先生の残念譜だが印象深い将棋。