将棋局面|渡辺明vs佐藤康光2007-11-28竜王戦5局|終盤の勝負手
2007年11月28日~29日第20期竜王戦七番勝負第5局
佐藤康光二冠が挑戦した竜王戦から。 矢倉▲4六銀から▲2五歩と突いた将棋で、相穴熊になった。 1図は△9七歩の王手だから、次の一手は限られている。
▲8七玉
終盤の勝負手 わざと王手がかかるほうへ逃げる
平凡な8九玉などだと3七角成で、左右からやられると見たようだ。 ▲8七玉が大胆な勝負手だった。△8六角成の王手が幸便に見えて考えずらい手だ。
2図以下、△8六角成▲8八玉△9八歩成▲7九玉△5九馬▲4八銀△4九馬▲8五竜とすすんだ。 わざと△8六角成とさせて挟撃を緩和した。 ▲8五竜となって難しいが、先手佐藤玉は捕まると見られていた。
ところがこのあと渡辺竜王に失着があって、先手入玉を果たし勝ちとなった。 ▲8七玉がうまい勝負手で、逆転劇を呼ぶ第一歩だったように思う。