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将棋局面|中原誠vs大山康晴1974-06-06名人戦7局|中原、格調高い名手で名人防衛

1974-06-06第33期名人戦七番勝負第7局「中原 誠名人」vs「大山康晴十段」 棋譜

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 △三間飛車に先手は▲4五歩の仕掛け。 図まで、盤上は激しく目まぐるしい攻防の戦場だった。そんなさなかに、先手から目を疑う手が出た。 

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▲9六歩  

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激戦のさなかの端歩突き 中原、格調高い名手で名人防衛

ここまで、激しいやりとりを見てきたので信じられない手であった。

中原名人はおそらく、スッと穏やかな手つきで端を突いたと思われる。 格言で「端玉には端歩を突け」というが、それは端歩を伸ばして玉頭から攻めよということだろう。本局はこのあと9五歩と伸ばしたわけではない。端歩は最後まで9六歩のままだった。

確か大山先生の著書で、この手のことを述べられていた。 大山先生の解釈は、「自玉の懐を広げて、手を渡した」という旨だったと思う。 ▲9六歩を高く評価しておられたと記憶する。名手であった。

中原誠先生が若き時代の防衛戦であるが、恐るべき落ち着きである。 中原名人は格調高い名手で強敵を下し、名人位を防衛した。