将棋|行方尚史vs佐藤康光2013-5-29王位戦挑決戦|行方が初のタイトル戦へ
2013年5月29日 第54期王位戦挑戦者決定戦 佐藤康光九段 対 行方尚史八段 棋譜
角交換△ダイレクト向飛車に▲6五角と打った力戦で双方すごい恰好。後手の圧力に先手が強く対抗した。
▲4六金
金で対抗 行方が初のタイトル戦へ
ニョキッと▲4六金がすごい手。 歩越し金のうえ放れ駒ができて指しにくい手だが、これが好手だった。こう構えられると後手は3、4筋からは妙に攻めにくい。
以下、△8四歩▲7八玉△3三桂▲3七桂に△3五歩と開戦。行方さんはじっと形を整備して放れ駒をなくした。 佐藤さんから仕掛けて難しい戦いが続いたが、先手行方勝ち。
行方尚史さんは新四段のときいきなり羽生さんと竜王挑戦権を争った。敗れはしたが、大きなインパクトを与えた。 だがそれ以来、タイトル戦登場がないのは不思議であった。 この一戦は大きなチャンスであった。▲4六金と指せたのが勝因だと私は思う。
行方さんは羽生王位への挑戦権を得て、初のタイトル戦登場となった。むかし竜王挑戦を争った羽生さんとタイトルを争うとは、妙な因縁であった。