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将棋局面|米長邦雄 vs 升田幸三 1972-04-18 十段戦|その2 ええっ!?ここで・・・  米長の妙手

1972/04/18第11期十段戦リーグ

米長邦雄八段」vs「升田幸三九段」 

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別ページ「勃発」のつづき。6五の桂馬で5七の銀を成らずでとった局面。金取りだから、ふつうは「先手」であるが・・・。

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▲6六香 

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ええっ!? ここで香打ち!? 米長の妙手

私は上記のごとく心の中で叫んでしまいました。

若き日の米長先生の鋭い読み筋。ふつう5七同金だが、8二銀でまずい。それにしても、銀を取られたうえ金取りを放置とは。香打ちは妙手だった。

▲6六香以下、△6九桂成、 同 王、6四歩、 同 香、 同 銀、 同 馬、9四歩、6五桂(3図)と進んだ。

△6九桂成と金銀を取られ大きな駒損で、通常こんな馬鹿な取引きはない。

だが▲6四同馬の局面で後手に適当な受けがないようだ。△9四歩は9五桂を消してつらい手。

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ベタッと▲6五桂と打って、どうもこの攻めは振りほどけないらしい。

3図以下△7一香、6三銀、5二銀、7四銀成、 同 香、7三桂成と攻めが続いて、85手まで先手米長快勝となった。

当然に見えた△6九桂成が桂馬を渡して敗着だったらしいが、ともかくも米長先生の鋭い攻めは素晴らしかった。