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将棋局面|先崎学vs南芳一1991-03-04NHK杯決勝|特攻の妙手 先崎がNHK杯優勝

1991-03-04第40回NHK杯戦決勝「先崎 学五段」vs「南 芳一棋王」 棋譜

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このころ先崎さんが得意としていた▲5五歩位取り中飛車だった。▲4五銀と打って△6四金と先にかわしたところ。次の先手の手は事実上の決め手だった。

 

▲5四飛

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飛車の特攻の妙手 先崎がNHK杯優勝

▲5四飛!! 飛車を金に当てていくとは驚いた。▲4五銀と打ったので、飛車を柱に銀で攻めるとばかり思っていた。
これは無茶苦茶な手ではなく、良い手であり、妙手だった。鬼手ともいえようか。神風特攻隊のような飛車は大戦果を挙げた。
後手は6七の銀が空振りを食わされ、2二の角はひどい壁形。だから立派に成立している手だった。△同金▲同銀のあと、▲6四歩からのと金攻めが厳しくて先手圧勝となった。

先崎さんは若手時代、棋界の暴れん坊のような存在で面白かった。先輩相手でも物おじしない、ふてぶてしい雰囲気だった。「羽生世代」では異色の存在であった。
決勝当日、タイトル保持者の南棋王相手でも平然としていた。この日は先崎さんが勝つ予感はあったが、一方的な内容になろうとは思わなかった。先崎さんらしい将棋でNHK杯優勝となった。