将棋局面|郷田真隆vs渡辺明2013-03-10棋王戦3局|渡辺の妙手にびっくり
2013年3月10日 第38期棋王戦五番勝負 第3局
渡辺明竜王が棋王に挑戦したタイトル戦で、驚かされた一局。 矢倉▲3七銀型の将棋。 ▲5二角に後手は銀をどうしようかというところ。
△9四桂
銀を見捨てる渡辺の妙手にびっくり
2五の銀を見捨てて△9四桂が驚きの一手。アマならとりあえず銀取りを防いで、6三角成とされて考えるところ。 もっともプロの先生方も驚いた手で、棋士や全国のファンを驚かせたハイライト局面といって過言でないようだ。
2図以下、▲2五角成△8六歩▲9八銀と進む。△9四桂はいい位置で銀を取らせるから気づかないし妙手であった。△8六歩が継続手できつかった。
驚いたのは△9四桂だけでなく、この後の渡辺さんの指し手。 猛然と寄せに出るかと思いきや、△4三銀や△2四歩とじっくり自陣を整備している。
渡辺さんは戦(いくさ)上手で、攻守のバランスがいい。攻めては谷川浩司先生のような手を指し、守っては大山康晴先生のような手を指す。それが渡辺明なのだろう。 最後は大差となり郷田棋王投了。本局は渡辺さんの強さが存分に見られた。