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将棋局面|桜井昇vs伊藤果1982-02-15NHK杯準決勝|伊藤が大逆転でNHK杯決勝へ

 1982-02-15第31回NHK杯戦準決勝第1局

「桜井 昇六段」vs「伊藤 果五段」 棋譜

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伊藤果五段がNHK杯決勝進出を決めた将棋だが、ずっと劣勢からの大逆転勝ちだった。 △四間飛車穴熊に▲角頭玉の変形だった。先手がうまく攻めて勝勢だったが、 1図の少し前に桜井六段が勝ちを逃した。先手堅陣に見えたが、後手から寄せがあった。 

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△9六桂▲同香△9九銀(2図)▲同玉△9七銀 まで後手の勝ち

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あっという間の受けなし 伊藤が大逆転でNHK杯決勝へ

当時テレビで見ていて、桜井先生が勝ちを逃したことは解説でわかった。 それでも、1図からすぐに終わるとは思わなかった。 △9六桂から△9九銀が必殺の寄せ。この局面はまさに私にとってハイライト局面で、強く心に残った。 2図以下、▲同玉△9七銀で終局となった。典型的な必至がかかった。 あっという間のできごとで当時テレビの前で唖然とした。 どちらが勝っても予想外の決勝進出だったが、伊藤果先生が勝った。

伊藤果先生は、若手時代に「風車戦法」を駆使して目立った活躍をした。 この年度のNHK杯は番狂わせが多く面白かった。 本局は勝った方が決勝進出という大一番で、注目したのを覚えている。