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将棋局面|佐藤康光 vs 久保利明2009-02-08棋王戦1局|久保、見事な小駒の寄せ

2009年2月8日第34期棋王戦 五番勝負 第1局 

佐藤康光棋王 - 久保利明八段

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ゴキゲン中飛車から2枚角を斬る進行となる。△7五桂に6九の金を▲5八金と上がった局面。

大駒の無い後手がどう攻めをつなぐかという局面だった。

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△3九銀▲1八飛△5七歩▲同金寄△8七桂成▲6九玉△7七銀成

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久保、見事な小駒の寄せ

△3九銀が妙手。居飛車側からすると見落としやすい手だ。この手で広そうな先手玉が急に狭く見えてきた。

さらに△5七歩がそつのない利かしで好手。△7七銀成もよい取り方。こうなって見ると、後手からは2六桂、2七銀、2九銀、6五桂などたくさんのねらいがあって、先手収集困難になっている。大駒の捕獲をねらいに、小駒ばかりで見事な寄せだった。

この後もうまく指して後手久保快勝となった。

このシリーズは久保さんがフルセットの末、初タイトル棋王を獲得した。この頃は久保さんの絶頂期で、この将棋は会心譜だった。