将棋局面|米長邦雄 vs 中原誠 1979-10-12 王位戦 7局|米長の不思議な奇手 初めて中原からタイトル奪取
1979/10/12第20期王位戦七番勝負第7局千日手指し直し局*
決め手とばかりに、1八の竜が4八の銀を取った局面。
7五の角が利いているから、”斬った”はず だが・・・。
▲6七金寄
米長の不思議な奇手 初めて中原からタイトル奪取
4八同角と取るしかなさそうだが、5八と、5九歩、48と、の変化は5九竜から6八銀がきびしくて後手勝ちという。
ところが竜を取らず▲6七金寄!?!?!?
中原名人はこれで「不思議な手を指されて何が何だかわからなくなった」という。
2図以下、△9九銀、7七王、7八竜、同 王、7六歩、6一飛、4一桂、6八金と進行。このあと入玉して先手米長勝ち、王位奪取となった。
△9九銀が悪手で7九銀が正着だったらしいが、不思議な金寄りが中原名人を狂わせた。奇妙な手で、妙手とか名手というより、私には「奇手」という感じがする。それも世にも不思議な奇手であった。
この模様は米長先生の「逆転のテクニック」という名著に書かれている。初めて中原名人からタイトル奪取した価値の大きな一局。
▲6七金寄の局面は何度見ても不思議で、心に刻まれるハイライト局面である。