将棋局面|高橋道雄vs花村元司1985-03-19棋王戦予選|花村、絶局で最高の奇手を遺す
1985-03-19 第11期棋王戦予選
花村元司九段の有名な奇手を振り返る。矢倉で▲棒銀の将棋。先手は棒銀を守りの銀と交換して十分と思えた。1図△8六歩の突き捨てに▲同歩と取ったところで目を疑う光景が。
△1七銀
花村、絶局で最高の奇手を遺す
△1七銀?!?!?! 花村九段でなければ思いつかないであろう、とんでもない奇手だった。
△1七銀は同香なら、4五歩、同桂、1七角成のねらい。
実戦は2図以下、▲2九飛△2六銀成!▲2五桂△3六成銀▲6八角△3五歩とすすんだ。
△2六銀成が銀の二段活用の好手。同飛は4五歩がある。
以下は、花村九段が入玉して長手数になった。高橋六段は入玉できず、投了となった。
花村九段は本局ののち亡くなったため、人生最後の一局となった。 花村九段は絶局で、棋士人生を代表する最高の奇手を遺した。
この奇手は高橋道雄九段が、雑誌で局面やこのときの心境を紹介したため、たいへんよく知られることになった。