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将棋|渡辺明vs佐藤康光2007-12-12竜王戦6局|佐藤の金の活用法

2007年12月12日~13日第20期竜王戦七番勝負第6局

渡辺明竜王 対 佐藤康光二冠 棋譜 

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佐藤康光二冠時代の面白い棋譜から。 「相中飛車」という珍しい将棋になった。 1図から後手は3二の金をどう使うのかと思っていたら、次の一手に驚いた。

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 △3三金

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佐藤の金の活用法 新型タコ金?

4四歩から4三金が普通の発想と思う。△3三金に驚いた。次に4四金と出て行こうというもの。 まるで対ひねり飛車の「タコ金」を思わせる。相振飛車では極めて珍しい金の活用法だ。新型のタコ金か? 先手3九玉なら4四金と出て、4五歩、3五金、3六歩、2五金、3七桂、2四金と追われるが、3五歩と反撃しようというものらしい。 本譜は2図以下、▲4五銀と牽制し、△1四歩▲6六角△4四金▲同銀△同歩と、金銀交換になった。

本局は渡辺明竜王が勝って防衛、竜王4連覇を達成した一局となった。 しかし、佐藤康光さんが序盤「相中飛車」にしたり、この「タコ金」と、むしろ佐藤さんの柔軟な発想力が印象に残る棋譜である。