将棋局面|谷川浩司vs福崎文吾1991-10-14王座戦5局|福崎、妙手で王座獲得
1991-10-14 第39期王座戦五番勝負第5局千日手指し直し局「谷川浩司王座」vs「福崎文吾八段」
福崎文吾八段がこの人らしい妙手で王座を獲得した一局。 矢倉戦▲4六銀戦法に対し、後手が△6四銀・7三桂・8五歩の形で先行した。きわどい終盤になって後手にびっくりの手が出た。
△9六桂
福崎、妙手で王座獲得
2図がまさにハイライト局面。歩頭に打つ△9六桂!が妙手だった。 同歩なら8七歩成から8六歩で詰む。このとき9六に逃げられないための捨て駒だった。 それにしてもわざわざ玉を広くするような捨て駒とは。
実戦は2図で▲7九玉だったが、△3一角と詰めろを防いで以下、勝ちになった。 福崎さんらしい妙手で王座を獲得した。
福崎さんは振飛車穴熊を得意としたが、この王座戦は矢倉も交えて戦った。 福崎さんは、好調になると爆発的な力を発揮した。 タイトル挑戦は2回だが、十段とこの王座と、2度とも獲得している。 タイトルを2回も獲りながら、A級経験がないのもこの人らしかった。 妖刀というか、奇手のような手が多く、花村元司九段と似たところもあった。