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将棋|青野照市vs谷川浩司1984-07-01日本シリーズ|△2三歩型横歩取り 取らせて勝った谷川名人

A04谷川浩司.十七世名人.四冠 07月対局

1984/07/01第05回JT将棋日本シリーズ2回戦第2局*「青野照市八段」vs「谷川浩司名人」 

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谷川浩司さんが定跡を発展させた功績を振り返る。 横歩取りだが、△2三歩と打つ△2三歩型横歩取りである。というわけで、1図での次の一手は上に答えが出ている。

 

△2三歩▲3四飛△8八角成▲同銀△2五角▲3二飛成△同銀▲3八銀△3三銀  

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△2三歩型横歩取り 取らせて勝った谷川名人 定跡に発展をもたらす

本局は昭和59年。昭和末期のこの頃は、1図では△8六歩が常識であり、△2三歩と打つ棋士はほとんどいなかった。それは2図になって後手不利と思われていたからだろう。

そもそも、昭和初期に2図で先手を持って常識に挑戦したのが木村義雄十四世名人だった。それまで先手不利と見られていたのを、先手を持って快勝した。それ以降、常識がくつがえって先手有利と見られるようになった。

昭和末期に、その常識を再び疑ったのが谷川浩司名人だった。2図は後手も指せるのではないかと。驚くことに谷川名人は後手を持ってよく勝ったのだった。

ふたりの名人が半世紀も時をへだてて、同じ局面に挑戦しているのは非常に面白い。ふたりの名人によって「△2三歩型横歩取り」の定跡は進歩した。

谷川名人が指し始めて数年後、2図までの手順で▲3二飛成と斬らずに▲3六飛と引く手が▲羽生△谷川戦で指され、羽生快勝となった。これが決定版になったようで、「△2三歩型横歩取り」は見られなくなった。

△2三歩型横歩取りは「消えた戦法」となってしまったが、時の名人であった谷川さんの採用が注目を集め、研究が進み、定跡に発展をもたらした。谷川さんの大きな功績である。