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将棋局面|羽生善治-郷田真隆2016/03/18王将戦第6局|郷田が45歳にして人生初の「防衛」

2016/03/18第65期王将戦七番勝負 第6局

先手:羽生善治名人 後手:郷田真隆王将

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8一の飛車がじっと△6一飛(好手)とまわって▲2四歩と突いた局面。後手にとって悩ましい局面だった。

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△2四同歩▲2三歩△同玉▲3五歩△6五歩

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郷田が45歳にして人生初の「防衛」

2四同銀と取りそうな局面だが△同歩と取った。▲2三歩のたたきから▲3五歩と突くのが嫌な攻め。後手も△6五歩と急所攻撃。

角が3一まで利いて1五桂が残るから後手玉は危なっかしい。なんとも大胆で力強い指しまわしに見えた。先手に攻めさせてうまく反撃し、後手郷田勝ちとなった。

郷田さんは4-2で王将初防衛を果たした。また、人生初の「防衛」でもあった。これまで棋聖棋王など獲得しても翌年防衛はできなかった。45歳初防衛は将棋界で最年長記録かな?

 

今回、”羽生奪取、五冠復帰”かと予想していたが・・・

思い返せば1992年に21歳四段で谷川さんを破り王位獲得という衝撃的な郷田さんだった。しかし翌年羽生さんに獲られ、翌年、翌々年と連続挑戦した。3年連続の大勝負だったが郷田さんは防衛も奪還も成らず敗れた。

あのとき郷田さんが勝てば棋士人生を快走したと思うが、羽生さんに完全に勢いを止められてしまった。それ以来羽生さんから一度棋聖を奪ったことはあったが、対戦成績はほぼダブルスコアという大きな負け越しであり、天敵であった。

あの日苦杯を喫した天敵羽生さんを下し、45歳にして初めて防衛を果たした。四段でタイトルを獲り、スピード出世の郷田さんだったが、むしろ今棋士人生の全盛期真っ只中である。