将棋局面|羽生善治 vs 森下卓 1989-09-18 竜王戦|羽生逆転の好手 島竜王に挑戦
1989-09-18 第02期竜王戦挑戦者決定三番勝負第2局
「羽生善治五段」vs「森下 卓五段」
挑戦者がかかる番勝負。角換わり棒銀にうまく対処した森下ペースだった。
先手は3五の銀取りをどうするかという局面。
▲3九玉
羽生逆転の好手 島竜王に挑戦
1図で2六銀だと4四桂が痛い。だから銀を取れるし、森下さんは良いと思っていたようだ。
ところが▲3九玉と落ちたのが好手。3五歩なら7八飛と取り返して先手良し。森下さんは完全に見落としていただろう。これが見えていれば前の指し手は違っていた。これがあっては逆転した。
2図で森下さんは泣く泣く△7七成銀と逃げたが▲2六銀 △同 銀 ▲同 飛。今度は4四桂は無効で、銀が生還して持ち駒になった。以下△4四銀▲7三歩△7一歩▲8四と。と金が間に合う展開になって完全に先手ペースに。
先手羽生勝ち、島竜王への挑戦者となった。
羽生さんは当時逆転勝ちが目立ち、”羽生マジック”とよく言われた。相手が間違えてそれを的確にとがめるから、よく逆転勝ちをした。相手のミスをとがめるのは容易でなく、羽生さんはそこが見事だった。