将棋局面|瀬戸博晴 vs 神吉宏充 1986-06-30 C2順位戦|神吉流穴熊
1986-06-30第45期順位戦C級2組01回戦
「瀬戸博晴四段」vs「神吉宏充四段」
1図は何の変哲も無いが、ここから神吉流(かんきりゅう)がはじまる。
△5一銀 ▲2八銀 △4二銀 ▲5八金左 △8五歩▲7七角 △3一銀 ▲7五歩 △1二香 ▲7八飛 △6四歩▲5六銀 △1一玉
神吉流穴熊
ジグザクと銀を寄せるのが神吉流。こうやって固めるのが神吉流穴熊。
この当時は何とも奇異に映った。ろくに歩も突かず、せっせと固めているだけ。駒が偏って攻撃力が無いではないかと。いい加減な戦法に見えたものだ。
しかしこれは立派な指し方だった。その後に松尾流穴熊やミレニアム囲いが指されて、固めることが重視された。今思うと神吉流穴熊は先んじていた。
本局は長手数で後手神吉勝ち。
神吉宏充七段はお笑いタレントのような棋士でよくNHKで笑わせてもらった。たいがい知名度が高い棋士は、棋戦である程度活躍した人であるが、神吉さんは活躍らしいものは無く、特別な存在だった。
将棋は自分か相手のどちらかが振飛車で穴熊が多かった。すなわちほとんど振飛車穴熊か居飛車穴熊かという感じであった。
万年C2クラスであったが、将棋界が厳しくなったためフリークラス転落となり、52歳で引退となってしまった。