詰将棋|塚田正夫『塚田詰将棋代表作』68番|意外な手段
詰将棋作家としても巨匠であった塚田正夫名誉十段の作。初手の王手が多く紛れがある。
▲3四桂△同歩▲3三角(2図)△1二玉▲2二飛△同銀▲同角成△同玉▲2三銀打まで、9手詰め
意外な手段
2三飛と打って成り捨てる? 3二飛捨て? 1三角捨て? どれもさっぱり詰まない。
▲3四桂は見えるが、△3三角(2図)が見えづらい手。同桂は2三飛、1二玉、1三銀成まで。これがわかってゴールだ。
△1二玉と逃げる延命策が詰将棋の妙だが、▲2二飛から精算して詰む。
▲3四桂から3三角は、きれいな手筋というより強引な手段で、意外だった。
収束は駒取りが入りきれいとはいえないが、塚田作品にはしばしば見られる。実戦形で形良い。塚田詰将棋のなかで好きな作品。
※『塚田詰将棋代表作』は没後だいぶ経った平成11年に将棋連盟刊行