将棋局面|中原誠 vs 米長邦雄 1979-04-26 名人戦|伝説の絶妙手 中原の名局
1979-04-26 第37期名人戦七番勝負第4局「中原 誠名人」vs「米長邦雄棋王」
先手足らないかと思われるとき、後々語り継がれる絶妙手がでた。
▲5七銀
伝説の絶妙手▲5七銀 中原の名局
▲5七銀が絶妙手。棋書ではよく出てきて、何度見ただろう。まさにハイライト局面だ。
以下△同 馬▲5四角打 △3一王▲3三桂成△同 銀 ▲6二金 △4八飛成▲5八桂打で先手玉は詰まず、△3二銀打 ▲5一飛打 △4一桂打 ▲3二角成 △同 王▲4三銀打 △2一王 ▲4一飛成 △1二王 ▲2四桂打 まで先手中原勝ちとなった。
単に5四角から入ると、5八桂合いのあと7七馬と金を取られて、5七竜と引く筋があって先手玉は詰む。
▲5七銀は馬筋をそらす意味で、先手玉は不詰になる。後手は7八金と打ちたいけれど、金を渡すと自玉が詰んじゃうので、泣く泣く△同馬。
最後の変化にも好手がひそんでいる。▲5一飛に4一金合だと、2一金!の好手があって詰む。詰めの好手筋だ。
中原さんは『中原誠名局集(昭和56、筑摩書房)』のなかで、「5七銀のような手は、めったに生まれない。私が指したなかでも、いちばんいい手ではなかろうか。いまだに印象が鮮明な思い出の一局だ。」と記している。
昭和54年、中原誠十六世名人の名局。