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将棋局面|中原誠vs内藤國雄1969-12-27棋聖戦2局|横歩取り△3三角戦法、タイトル戦に登場」

 1969-12-27第15期棋聖戦五番勝負第2局

「中原 誠棋聖」vs「内藤國雄八段」

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内藤国雄九段がタイトル戦で指して、現在まで指し続けられる基本戦法を振り返る。 横歩取り△3三角戦法。1図の▲3六歩に後手が動く。数手のやり取りが面白い。 

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△8六歩▲同 歩△同 飛▲3五歩△8五飛

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横歩取り△3三角戦法(内藤流空中戦法)、タイトル戦に登場

横歩取り△3三角戦法」は、現在も絶えることない基本戦法だ。 横歩取りで△3三角と上がるのはその昔からあったが、本格的な戦法にしたのは内藤国雄九段の大きな功績だった。 内藤先生は中段で飛車角を使うためか「空中戦法」と呼んでいた。

1図のように、内藤先生が指したのは△8四飛△5二玉型で、早々に△1五歩と伸ばすのが特徴。 そして、浮いた歩を取りに行くのが内藤先生得意の手法だった。 1図から△8六歩と合わせていって7六の歩を取りに行き、▲3五歩と伸ばすと△8五飛で3五の歩を取りに行く。 初めて見たときは、なんとも面白いやりとりだった。 その後は飛車が激しく動き、まさしく“空中戦”になったが、後手内藤八段が勝った。

横歩取り△3三角戦法は、この棋聖戦で指されて勝ち星を挙げ、内藤先生がタイトルを獲得したので大きなインパクトがあったに違いない。

この戦法は平成時代に入り、中座飛車△8五飛、中原囲い△4一玉、中住まい△5一金などが指され、絶えることがない。後手番でも攻勢がとれるからだろう。

横歩取り△3三角戦法は平成時代の現在でも「内藤流」をつけて呼ばれることがあるが、初期の「内藤流」から大きく大きく進化した。 現在もタイトル戦でしばしば指され、主流戦法のひとつである。