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将棋局面|加藤一二三vs大山康晴1979-12-23NHK杯|大山の気迫が加藤の…

1979/12/23第29回NHK杯戦3回戦第1局

加藤一二三王将」vs「大山康晴十五世名人」 

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大山康晴十五世名人と加藤一二三王将のNHK杯史に残る事が起きた一局。 △四間飛車に▲引き角の将棋だった。1図は先手の勝ちが目前。だが、ここから数手でまさかの出来事が起こった。 

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△6九銀▲8八金△同角成 まで後手の勝ち 

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大山の気迫が加藤の大トン死をもたらす

NHKの将棋特番で、羽生善治名誉NHK杯が名勝負に選んだ将棋のひとつ。

△6九銀が秒読みのなか敵を焦らせる手。 ▲8八金が大悪手。△同角成。NHK杯史上に残る大トン死となってしまった。

番組のなかでふたりが言われていたことが面白かった。

加藤一二三九段は「大山先生は素早く同角成と瞬間に取られた」「“待った”は許さんぞという気迫にこもっていた」

羽生さんは「大山先生の金を取るのがまさに電光石火」「インパクトがあった」と語っていた。 私は加藤さんの大ポカと単純にかたずけたくない。

大山先生にすれば、「△6九銀に▲8八金」を頭に描き、完全にねらっていたのだ。大山先生の気迫が大トン死をもたらしたと思っている。

補足:加藤九段によると△6九銀には、6二飛成、4一玉、5二と、同飛、6一竜、5一飛、5二銀で先手勝ちだった。 ▲8八金には8七歩と読んでいて、「いったん逃げた」つもりだった。