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将棋局面|羽生善治vs渡辺明2010-12-14竜王戦6局|渡辺竜王7連覇

2010年12月14・15日 第23期竜王戦 七番勝負第6局 

羽生善治vs渡辺明 

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渡辺明竜王が7連覇を達成した一局は、受けにも強いところを見せた。 角換り腰掛銀で、手待ちを繰り返してから先手が開戦した。 1図は▲2四飛と浮いてる歩を取って王手だが、次の一手、後手は平凡な手では応じなかった。

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△2三金

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気迫の△2三金上がり 渡辺竜王7連覇 

△2三金は気迫の受け。自ら形を崩すやりにくい手だ。 普通に2三歩だと、3四飛とされていいようにやられると見たのだろう。

2図以下▲2六飛△2五歩▲同桂△2四歩と進んだ。 1図に至るまでの△5二飛も狭いが受けに利かした逃げ場であった。 その後は後手玉が寄りにくい形になり、渡辺さんが勝って竜王を防衛した。

大山康晴十五世名人が、受けはただ受けているだけでなく、攻めに転じるための受けでなくてはならないという旨のことを本に書いておられた。 渡辺竜王の一連の指し手も、相手を攻め駒を攻める強烈な受けだった。