将棋局面|中原誠vs塚田泰明1987-10-21王座戦5局|塚田が王座獲得
第35期王座戦五番勝負第5局
「中原 誠王座」vs「塚田泰明七段」
塚田泰明七段が王座を獲得した一局で、うまい攻めを見た。 相掛かりで共に浮き飛車の将棋だったが、見たことのない乱戦になった。 1図は7四の飛車で7六の角を取ったところ。飛車角交換をして後手どうするのかと思った。
△6四角▲8八銀△9六香▲4七歩△4五歩▲3七銀△4四桂
塚田が王座獲得 7人のタイトル保持者が出現
じっと△6四角と角を据えた。△4五歩と突いて△4四桂と打つのが塚田さんの読み筋だった。 なるほど、2図で2六飛だと5六歩、同歩、3五角がある。 実戦は、2図から▲6六飛△5五角打▲6五飛△3七角成の二枚替えの展開になって、後手優勢となった。 その後、完璧に寄せて塚田さんが勝った。3-2で王座を獲得した。
塚田さんはいわゆる55年組であり、「塚田スペシャル」を駆使して22連勝をしたり、A級にスピード昇段したりと、大変目立って大活躍した。 この王座獲得も、中原先生相手だったが不思議な気はしなかった。
また、この頃の将棋界はまさに「戦国時代」であった。本局の塚田新王座誕生でそれがピークに達した。 7つのタイトルを7人が保持する状態になった。 中原誠名人、福崎文吾十段、中村修王将、谷川浩司王位、高橋道雄棋王、桐山清澄棋聖、塚田泰明王座、という顔ぶれだった。 塚田泰明九段のタイトル獲得は、この王座が唯一であった。