将棋プロ棋士ハイライト局面ブログ|名手絶妙手鬼手奇手好手

竜王名人王将王位棋聖王座棋王NHK杯順位戦ほかプロ棋戦の名局好局熱戦棋譜を局面図で振り返るスマホで見やすいブログ

将棋局面|中村太地vs羽生善治2013‐10‐08王座戦4局|羽生の勝負術で最終局へ

2013年10月8日 第61期王座戦五番勝負 

第4局 羽生善治王座 対 中村太地六段 棋譜

2013-10-08a_20140101110647c36.png

羽生善治王座の巧みな勝負術を見た将棋だった。 角換わり腰掛け銀から後手が角を斬って激戦になった。1図は▲6四飛と王手に打った局面だが、後手の意外な応手を見た。

f:id:shogifan:20160219040255j:plain

 △6三金打▲7二角成△同玉▲6七飛△6六歩

2013-10-08b.png

羽生の勝負術で最終局へ

△6三金打ちは意外な合駒だった。すぐ見える6三飛は、同飛成、同玉、6四歩で詰み。 ならば6三歩だが、6七飛、8三銀、3四馬となり、これは勝負にならないと羽生さんは判断したようだ。 本譜は羽生さんが勝負術を見せた手順だった。

2図の△6六歩があって勝負になっている。 同飛は、5七角の王手飛車なので、▲6九飛と引いたが△4七飛▲3四馬△7七飛成・・・と難しい最終盤に突入した。 結果は羽生勝ち。

1図からは正しく指せば先手勝ち将棋だったようだ。 ところが羽生さんが相手の判断が難しい手を常に選択した。そのことが中村六段を誤らせ、勝利を呼んだと思う。 王座戦は難しい激戦が続き、ついに最終局へもつれこんだ。