将棋局面|塚田正夫vs升田幸三1948-09-22塚田升田五番4局|その1 駅馬車定跡の序章
1948/09/22朝日新聞塚田・升田五番勝負第4局
有名な「駅馬車定跡」は、上記の企画将棋のなか升田幸三八段のひらめきによって生まれた。 相掛かり腰掛け銀で4筋6筋の位を取り合い、先後同形となった将棋。
同形から▲2六飛と手待ちで浮いた1図が駅馬車定跡のスタート局面で、升田の目が光った。
△8八角成▲同 銀△2二銀▲7七銀△3三銀▲6六歩△4四歩▲6五歩△4五歩
駅馬車定跡の序章 あとのカラスが先に
後手の升田八段は角を交換して銀を上がった。通常自分から角を交換するのは、相手の銀が先に上がるので損としたもの。
ところがお互いに4筋6筋を取りこんで2図になると、先手は6六銀と上がりたいが4四角!の両取りがあるではないか。
2図で先手は仕方なく▲2八飛と引くが、△4四銀▲6六銀となって手番は後手となる。 あとのカラスが先になってしまった。ここまでが「駅馬車定跡」の序章。