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将棋局面|木村義雄vs金易二郎1930-08-25日本選手権争奪戦|△2三歩型横歩取り 取るのに挑んだ木村義雄

1930/08/25第2回日本選手権争奪戦(讀賣新聞)*「木村義雄八段」vs「金易二郎八段」 

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木村義雄八段が常識に挑戦した昭和5年の一局から。 横歩取りだが、後手が1図△2三歩と打つ△2三歩型横歩取り

1図は今ではみんなこの一手。

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 △2三歩▲3四飛△8八角成▲同銀△2五角▲3二飛成△同銀▲3八銀△3三銀▲7七銀△3四角▲6八王△2四歩▲3六歩△2三角▲3七桂△1四角▲3五歩△2五歩▲7九金

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△2三歩型横歩取り 取るのに挑んだ木村義雄

昭和初期のこの頃までは「横歩3年のわずらい」といわれて、1図で横歩を取るのは先手面白くないというのが常識だったらしい。

今ならみんな▲3四飛と取るのを、みんな▲2六飛と引いていたようだ。 その常識に挑戦したのが木村義雄十四世名人だった。△2五角に▲3二飛成の飛車斬りは当時すでに定跡だった。この定跡は先手不利と見られていたのを、木村名人は先手指せると見たのだろう。 以下2図の進行となり、▲6九金は違和感あるが、角道が通った時の6九飛の詰みを防いだ手。

先手は2図のあと、後手の角を奪い二枚角で攻める展開となり快勝した。 本局のあと徐々に常識は変わったのだろう。

常識は逆転し、1図の△2三歩と打つのは▲3四飛と取られて後手面白くないと見られるようになったようだ。