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将棋局面|升田幸三vs木村義雄1943-08-20昭和番附編成将棋決勝|升田の3手目▲7五歩戦法

1943-08-20第4期昭和番附編成将棋決勝(朝日新聞

升田幸三六段」vs「木村義雄名人」 

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犬猿の仲、升田幸三六段と木村義雄名人の対決。 なんの変哲もない出だしの1図、升田六段の次の手が木村名人を怒らせた。

升田六段に挑発する狙いがあったかわからないが・・・。

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 ▲7五歩

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升田の3手目▲7五歩戦法

▲7五歩と突いた2図は違和感がある。早めの▲7五歩は△3四歩と突いたときにはある手である。それは本局の後年に角道を止めない三間飛車「升田式石田流」が出現して以来よく見られる。 △8四歩に対してはまず見ない。「何でもあり」の平成将棋でも見かけない。昭和前期のこの時代は今よりなおさら奇異に映ったであろう。

木村名人はこれを見て怒ったらしい。▲7五歩はひと目「伸びすぎ」の印象だ。

これをとがめようと、2図以下、△8五歩▲7七角△7二金・・・とそのあと角道を開けず棒金を繰り出したのだった。しかし、升田六段にうまく対応されとがめることはできなかった。