将棋局面|森安秀光vs中原誠1983-08-04棋聖戦5局|だるま流の・・・ 森安執念の棋聖獲得
1983/08/04第42期棋聖戦五番勝負第5局*「森安秀光八段」vs「中原 誠十段」
▲四間飛車△居飛車穴熊の戦い。 図は△9五歩と突っかけてきたところ。 先手森安秀光陣はバラバラで大苦戦だが、ここから頑張る。
▲3八銀△9六歩▲9八歩△8六飛▲8八歩
だるま流の物すごい辛抱 森安執念の棋聖獲得
じっと▲3八銀と引いて駒の連絡を良くして、後手の端歩取り込みには歩を打ってあやまる。飛車走りにも歩を打ってあやまる。9八歩と8八歩は物すごく辛い形。後手大優勢だろう。
森安さんというと、振飛車のさばきが見事であった反面、辛抱強い手や地味な駒打ちが印象に残る。この辛抱が実り、後手に攻め急ぎがでて徐々に盛り返し、先手勝ちとなった。
森安秀光九段は四間飛車を得意とし、タイトル戦には多々登場した。この中原戦でついにタイトル獲得なった。棋聖獲得がとても嬉しかったのだろう。大いに喜んだことが、『将棋世界』に掲載された。
森安さんの全盛期は、米長邦雄さんの全盛期とモロにぶつかってしまった。森安―米長のタイトル戦は全て米長勝ちとなった。この棋聖も、次期には米長さんに奪われてしまう。この棋聖獲得が、森安さんにとって唯一のタイトル獲得だった。