将棋プロ棋士ハイライト局面ブログ|名手絶妙手鬼手奇手好手

竜王名人王将王位棋聖王座棋王NHK杯順位戦ほかプロ棋戦の名局好局熱戦棋譜を局面図で振り返るスマホで見やすいブログ

将棋局面|福崎文吾vs谷川浩司1984-08-03十段戦リーグ|谷川が福崎に「感覚を破壊された」

1984/08/03第23期十段戦リーグ05回戦

「福崎文吾七段」vs「谷川浩司名人」 

f:id:shogifan:20150408220929p:plain 

福崎文吾七段の将棋で、谷川浩司名人の自戦記で有名になった一局。▲向い飛車で穴熊。1図は▲7七歩に7六の飛車が△8六飛と寄った局面。先手は3四の飛車を軸にどう攻めるのかと思ったが。

 f:id:shogifan:20160301125728j:plain

▲3二飛成△同金▲3三歩

f:id:shogifan:20150408221008p:plain 

谷川が福崎に「感覚を破壊された」  

大事そうな飛車を▲3二飛成と斬るのが驚きの手だった。2図▲3三歩と打って、どう応じても後手は困るようだ。 実戦は2図以下、△同王▲3五銀△3八歩▲4四金△4二王▲5三金打△3一王▲3三歩△同桂▲同金△同金▲4二銀打 まで、先手勝ちとなった。

谷川浩司名人にすれば、これから寄せ合いと思っていたら、あっという間に自玉が寄せられてしまった。なので「将棋世界」誌上の自戦記で「感覚を破壊された」と題して嘆いたのだろう。

福崎さんの穴熊での寄せの感覚は、当時は特別のものだったようだ。その感覚は、その後活躍する後輩棋士達に影響しているに違いない。