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将棋局面|大山康晴vs中原誠1972-04-27名人戦3局|大山会心の大好手

1972/04/27~28 第31期名人戦第3局 

先手:大山康晴名人 後手:中原 誠十段・棋聖   棋譜

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大山康晴名人が名人を失ったシリーズでの勝局から。 ▲四間飛車棒銀だが、▲5八銀と引いたり△3三銀と上がっているのが変わっている。△7二飛と金取りに寄った1図で先手に大好手があった。 

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▲8五金 

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大山会心の大好手 金出

▲8五金が大山名人会心の金出(きんで)。同銀なら3三角成から、7二飛成だ。 これは振飛車vs急戦を勉強していると、どこかで見る手筋である。

△7二飛は大悪手であり、大ポカとも見えるが、この筋はこの時代はまだ珍しかったのだろうか。 大山名人は読み筋だったのだろう。わずかな時間で指している。 中原十段は完全に見落としていた。

次の手はなんと122分の大長考だった。 △7三銀と引いたが、先手は▲7四歩△6二銀▲5九角のあと▲7六飛から▲7七桂と桂馬を活用する展開になり、先手快勝となった。

大山名人が名人を失ったシリーズだが、本局の勝利で2-1とリードしていた。