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将棋局面|中原誠vs中村修1986-03-13王将戦6局|不思議流の手順 中村修六段が王将獲得

1986-03-13第35期王将戦七番勝負第6局

「中原 誠王将」vs「中村 修六段」 棋譜

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▲ひねり飛車に△5四金型の戦い。 ▲7二歩と垂らしたところ。 ここから後手の不思議な手順が見られた。 

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△7三飛▲8五桂△8三飛▲4六歩△4四金▲8六歩△7三桂

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不思議流の手順 中村修六段が王将獲得

”不思議流”中村さんの不思議な手順だった。△7三飛と寄って▲8五桂に△8三飛と戻る。▲8六飛までとなって、先手だけ指しているではないか。

ところが、2図の△7三桂が狙いのぶっつけだった。なるほど、先手の桂馬をわざわざ跳ねさせて、桂交換を迫る狙いだったのだ。

図以下、▲9四香△8五桂▲同歩△同飛と、桂馬を入手して飛車がさばけた。そのあと後手は2六に歩を伸ばし、桂馬を△2七桂と打つことになり、寄せに入った。最後は後手中村快勝となった。

中村修さんの王将獲得は当時、谷川さんの名人獲得、高橋さんの王位獲得に次ぐもので衝撃だった。そのとき世代交代の波が来るのを感じた。